「時制の一致」を分かりやすく解説【高校英語】

はじめに:「言った内容」の時制がずれるのはなぜ?
英語で「〜と言った」と過去の発言を伝えるとき、その後に続く文の時制も過去に変わることがあります。
このルールを「時制の一致」といいます。
一見難しそうですが、ルールを押さえればカンタン!しっかり整理して覚えてしまいましょう。
時制の一致の基本ルール
主節の時制 | 従属節の時制 | 例文 |
---|---|---|
現在形 | 自由(現在形・未来形など) | He says that he is tired. / will go. |
過去形 | 過去形・過去完了形などに変化 | He said that he was tired. / would go. |
時制の一致が起こるタイミング
- 主節(言う・考えるなど)の動詞が過去形のとき
- 従属節(that以下)も過去形や過去完了形に変わる
<従属節が「過去形」になる場合>
例:I think he is in Japan.
⇨I thought he was in Japan.
<従属節が「過去進行形」になる場合>
例:I think he is studying English.
⇨I thought he was studying English.
<従属節が「過去完了形」になる場合>
例:I think he has been busy with his homework.
⇨I thought he had been busy with his homework.
<従属節が「過去完了進行形」になる場合>
例:I think he has been working on the issue.
⇨I thought he had been working on the issue.
時制の一致が起こる理由
英語では主節の時制で文の時間的枠組みが決まります。主節を過去形にすると「過去の視点」で文が構築されるので、それにあわせて従属節も過去形に統一されるのである。
主節が現在形、現在完了、未来形では、時制の一致は起きない
伝える内容によって、従属節の動詞の時制が変化する。
例:He tells me that it is sunny today.
(彼は今日は晴れだと言う)
例:He tells me that it was sunny yesterday.
(彼は昨日は晴れだったと言う)
例:He tells me that it will be sunny this weekend.
(彼は今週末は晴れだろうと言う)
例:He tells me that it has been sunny since last Monday.
(彼は先週の月曜からずっと晴れが続いていると言う。)
↑↑主節が現在形なら従属節がどの時制であっても意味が成り立つ
従属節は話の内容に合わせて、適切な動詞に変化させれればOKです。
時制の一致が“起きない”場合
1、普遍の真理・事実(変わらないルール)
例:He said that the sun rises in the east.
2、習慣や常識
例:He said that he likes reading.
3、歴史上の事実
例:I learned that Columbus discovered America in 1492.
⇨歴史上の事実や過去の明確な事実は、時制の一致に関係なく常に過去形で表す。
時制の一致における助動詞の変化
- 過去形が存在する助動詞は過去形にする
- もとから過去形を使用している、過去形が存在しない助動詞は変化させない
「現在形:will」
I think she will come.(私は彼女が来ると思う。)
I thought she would come.(私は彼女が来ると思った。)
「現在形:can」
I believe he can pass the exam.(彼が試験に合格できると信じている。)
I believed he could pass the exam.(彼が試験に合格できると信じていた。)
「現在形:may」
Tom’s mom tells us she may not be at home.(トムの母は彼女は家にいないかもしれないと私たちに話す。)
Tom’s mom told us she might not be at home.(トムの母は彼女は家にいないかもしれないと私たちに話した。)
よくある間違いと覚え方の工夫
従属節の時制を現在形のまま使ってしまう
× He said that he is tired.
✔ He said that he was tired.
覚え方のコツ
主節が 現在形 → 従属節はそのままでOK
主節が 過去形 → 従属節も 過去形/過去完了形 にそろえる!
練習問題で理解度チェック!
【初級】
次の文を時制の一致に従って書き換えなさい:
He said, “I am hungry.”
解答:He said that he was hungry.
【中級】
次の文の誤りを直しなさい:
She said that she is happy.
解答:is → was(主節が過去形なので一致させる)
【上級】
次の文を時制の一致を考えて完成させなさい:
They said that they (go) to the party.
解答:They said that they would go to the party.
時制の一致まとめ
時制の一致は「主節が過去→従属節も過去」というシンプルなルール。
すべての文に必要なわけではないですが、「言った内容」を伝える場面で頻出です!
まずは「say / said」の違いに注目して、時制を合わせる練習をしましょう。